開催概要
- 授業内容
- Scratchでブルーカーボンチャレンジ!
- 日程
-
2023年12月1日(金)10:40~15:15
- 実施校
- 神奈川県 横須賀市立武山小学校
- 対象学年
- 6年生 (71名)
レポート
横須賀市立武山小学校6年生の皆さんには、「Scratchでブルーカーボンチャレンジ!」に取り組んでいただきました。授業で「SDGs」について調べ学習をしている子ども達ですが、今回の出前授業では「プログラミング」という新しい視点で海の社会課題を勉強しました。
人間の社会活動により大気中に増加している二酸化炭素は、海にも溶け込んでいますが、その量が多すぎると、海水がアルカリ性から酸性へと傾いてしまう「海洋酸性化」がおこってしまいます。
この問題を解決するひとつのキーワードが「ブルーカーボン」です。海洋に生息するアマモなどの海草は、光合成で二酸化炭素を吸収・貯留する役割を担っています。
今回は、SDGs目標の1番「貧困をなくそう」7番「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の2項目を関連付け、理解を深められるよう講義を行いました。
二酸化炭素を出さないようにする「クリーンエネルギー」「クリーンクッキング」という言葉があります。太陽光や風力など自然由来のエネルギーで発電することですが、世界にはそもそも電気を使えない人が約7億人いると言われています。様々な問題を学んでいく中、「SDGsの目標は達成できない」と感じる児童がほとんどでした。グラフを使用し、良い世界になってきている分野も多いということを伝えました。
次は、Scratchの中の海に、「リスト」というブロックをつかってアマモのキャラクターを植えていくプログラムをしていきました。ゲームを開始すると、画面の上から二酸化炭素のキャラクターが落ちてきて、アマモが二酸化炭素をキャッチすることでスコアを獲得できます。しかし、3回吸収するとアマモはなくなってしまうので、海中ロボットでどんどんアマモを植えていかないとスコアが減っていく仕組みです。
最初に設定されている難易度は子ども達にとっては簡単なので、そこから二酸化炭素キャラクターの数や落下速度などをプログラムで変更していきます。ハイスコアを目指すためにはバランスがとても重要で、自分が操作できるゲームバランスを真剣に考えてプログラムをしていました。
SDGs目標の達成の為にプログラミングが役立つことを知り、またゲームをしながら環境についても学ぶことができたため、今回初めてScratchを使用した児童もプログラミングに興味を持ったようでした。
生徒・先生方の声
- 今海でおきている問題などを知れてよかった。この授業でプログラミングがさらに好きになった。(小6男子)
- 先生の話を聞いて色々な割合を知れました。プログラミングで、アマモはCO2を吸収することも知れました。授業を受けて、さらにSDGsの私達にできることをやりたいなと思いました。(小6・女子)
- 海では、海洋ごみがたくさんあったり、サンゴや貝などが骨格や殻を作りにくくなる可能性があることを知った。アマモをもともと知らなかったけれどゲームをして分かった。(小6・女子)
- SDGsの問題を解決するには人工的なもの以外にも、ロボットなどのAI系の道具が必要なことを知った。プログラミングを通して勉強したので理解度が深まった。(小6・男子)
- 人が豊かな暮らしを求めることによって、海や自然がピンチになっている。アマモはCO2を吸収できたり、流れをゆっくりにしたりと、色々すごい。(小6・女子)
- 「アマモ」の存在をそもそも知らなかった子が多かったと思うので、この授業で知れて良かったです。(教員)
- Scratchをやりやすいように設定してくださっていたり準備を丁寧にしてくださっていた。また、スタッフの方が4名も来てくださって教えていただけた。(教員)
主催:一般社団法人 イエローピンプロジェクト
共催:日本財団 海と日本プロジェクト
後援:総務省、文部科学省、環境省
協力:リトルスタジオインク株式会社